2018/10 かわしも旧集乳小屋の改修
かわしも集乳小屋は、昭和40年代にはすでに今の場所に存在した。かわしも地区の酪農家が牛乳缶に詰められた牛乳を毎朝集乳所に運んでいた。集乳所には、1畳ほどの広さの水槽があった。牛乳の昇温を抑制するためで、集荷の車が来るまで水槽に入れられていた。その後牛乳缶による方法からタンクローリーで集荷する方法に変わったため、集乳所は使われなくなり、水槽は埋められた。後に集荷場はバス停、ゴミ類の集積場、新聞受け場となった。
本年(2018)、かわしも小水力発電実証プロジェクトを始めるにあたり、この建物を改修し小水力発電実証試験場として使うことになった。建設来50有余年を経た建物は、実証試験場として用いるには多少の改修が不可避のため、地権者や地域住民と合意の上改修に着手した。これまでのイメージは損なわず、かつエコタウン形成事業の広告塔の意味合いも含め、地域にふさわしい改修をめざした。
改修にあたっては、従来の地域のサロン的場としての機能を残す一方で、新たに小水力発電実証機を格納し、再生可能エネルギーによる発電実証試験場としての位置付けで、再エネによる電源の自給と照明、防犯灯の設置、将来的にはFree-WiFiも計画している。将来計画としては、水力利用のシンボルとして小屋に水車を設置する予定である。
本年(2018)、かわしも小水力発電実証プロジェクトを始めるにあたり、この建物を改修し小水力発電実証試験場として使うことになった。建設来50有余年を経た建物は、実証試験場として用いるには多少の改修が不可避のため、地権者や地域住民と合意の上改修に着手した。これまでのイメージは損なわず、かつエコタウン形成事業の広告塔の意味合いも含め、地域にふさわしい改修をめざした。
改修にあたっては、従来の地域のサロン的場としての機能を残す一方で、新たに小水力発電実証機を格納し、再生可能エネルギーによる発電実証試験場としての位置付けで、再エネによる電源の自給と照明、防犯灯の設置、将来的にはFree-WiFiも計画している。将来計画としては、水力利用のシンボルとして小屋に水車を設置する予定である。
かわしも旧集乳所のリフォーム
小水力発電のための改修風景。建物の傾きや、腐った土台等を改修し実験場として整える。実験室は3畳ほどの広さを確保する。
- 2018/11作業 実証小屋の改修を継続している。発電用水路整備はポリパイプで水源から直接供給する。ポリパイプ長は6本接続で240m、落差は22mである。現在は、取水口の製作と、発電部の工事を行なっている。
- 実証場所に発電機を設置すべく、小屋のリフォームを行なったところ、北側の発電実証予定場所の基礎を据えるべく、土間を掘ったところ、5センチくらい下に全面コンクリートの基礎が現れた。40年ほど前に集乳場の冷却用プールとして使っていたが、その後プールを埋めコンクリートでふさいだものと思われる。発電機設置基礎は、そのコンクリート基礎を利用して架台を組み上げることとした。
- 小屋のリフォームはあと10日程度が必要と推定される。その後と実証用発電機の設置、通水となる。試運転を12月中旬を目処に計画を進めている。同時並行的に、実験小屋のセキュリティならびに遠隔からの監視を可能にすべく、実験場所に自立式の電源を整備し、モバイルルーター等によるインターネットでの監視や計測が可能となるよう整備したい。
- 水圧測定用の圧力計や水温測定用のセンサーの準備が整いつつある。
実証用発電機の整備
- 2018/12作業 12/3,4日 12月にしては気温が高く、作業は順調に進んでいる。取水口を取り付けた。実験室に圧力計等の測定機材を設置したら通水試験と、ヘッド(水頭)の確認を行う。
- 実験用発電機の開発を行っているが、発電機はメーカー(米国Motenergy、Inc.)の取扱説明書によれば1400回転で定格の2kW(電圧120VAC,電流16.6A)が達成される。水圧0.2MPaが確保できればノズル出口の水の速度は20m/sとなり、水車の理論回転数は2200rpmとなる。現実には、流速と水量が関係し、結局のところノズルと水車の位置関係が鍵。(この辺りがノウハウなのだろう)
- 雪の降った翌日、予てからの懸案であった導水管の通水試験を実施した。通水がうまくいかなければ、導水管の凍結も覚悟のしなければならなかったが、無事通水できた。水圧は0.16MPaが確保でき、この水圧の場合、発電機は理論上2000rpmとなる。現実には効率が0.6-0.7程度として2kW出力が見えつつある。
2018/12-2019/01 進捗
- 2018年暮れ、実証用の試作発電機を実証試験場に据え付け、通水し動作試験を行った。タービンは3個のノズルを120度間隔で配し、初期設定としてノズル径は9ミリと7ミリが2本とした。水圧、流量等のパラメタを振って特性を把握し、本モデルでの適用について知見を蓄積する。
- 2019年に入って、実証試験に必要な機材の整備をすすめ、出力モニター、交流から直流への変換ならびにパワコンを準備し、1月中に試験運転に入る見通しがついた。
- 実証試験を実施する旧集乳場のリフォームもほぼ完了しつつある。50年前のイメージを残した。
- 発電に用いた水は、渓流に戻す際に、地域の水力シンボルとしての水車の動力として活用し、更には隣接する畑の灌漑用水として用いることでワサビとか芹、クレソン等の冷涼な清水を用いる栽培を行うことで、水力発電後の水のカスケード利用を予定している。
2019/8 までの進捗
- 本実証は、2月〜6月頃まで、実証運転を実施し、取水部、導水部、発電機等の検証を行った。
- 検証の結果、冬期から春期のきかん、大きなトラブルは生じなかったものの、予定していた定格出力には至らず、定格の20%レベル(200W−300W)であった。発電機の出力は負荷時、電流が16.6Aとなり、1400rpmの場合、電圧が120VACで2kWとなる。現在のところ、負荷時には350rpmとなり、電圧は30VACとなり、この場合の発電は0.5kWとなるが、交流から直流に変換する際の損失を15%とすると、0.35kWの発電が実験からわかった。
- そこで、水車をペルトンからターゴ型に変更し、圧力と水量のバランスを変えて試験したが著しい発電量の変化は見られないため、現実的な方法として、現在の18mから24mへ取水口位置を上げて実験を行う予定である。